タイムリミットは夜の7時

 -Are You Ready For The Night?

女子流徹底解剖2

前回( 女子流徹底解剖1 )、実質の生みの親である佐竹義康氏のインタビューから女子流の初期コンセプトを分析し、
そこから今まで辿って「東京女子流とは何か?」を探る記事を書いたわけですが。*1
その続きです。

佐竹氏が今のメンバーをスカウトする際に、5人それぞれのキャラクターをぼんやりと定めていて、その理想に近い子を採用した。
つまり、みゆが最初に決まったことはみゆのスキルにさほど関係なくて、みゆが左から二番目のポジションとしての理想像に限りなく近かったから採用された、ということは昨日書きましたが、ではその”ぼんやりと定めていた5人のキャラクター”とは、またその5人が合わさった時のバランスとはどんなものだったのでしょうか。


予め断っておきますが、前回のエントリと違って、かなり僕の主観も混じった考察になると思います、悪しからず!

佐竹氏はセンターを明確に決めたかったために、当初から5人グループを想定していたようです。
しかしぱっと思いだそうとしても、KARAや少女時代のセンターはすぐに出てきませんし、この”センターを明確にしたかった”というのは何故なのか、非常に気になるところですが、ここは後述するとして。


全体のルックスについて


まず全体に言えることが1つ。
世間一般が可愛い!と考えるど真ん中な可愛い子ではなく、どちらかといえば不思議な雰囲気を持つ独特なルックスの子を集めている、という点です。
ちなみに僕が”世間一般が可愛い!と考えるだろう”と想定している可愛さは、それこそ新垣結衣であったり、AKBで言えばまゆゆであったり、スパガの面々だったり、最近話題の?乃木坂だったりすると思うのです。
でも女子流が集めたのはそういう”いかにも可愛い子”ではなく、例えば多部未華子であるとか、柴咲コウであるとか、いそうでいない、独特で、それでいて可愛くもある?メンバーじゃないかと思います。
個人的にはまずそこへの好感度が大きかったですね。可愛い子を寄せ集めただけにしか見えないと、どうしても”媚びてる”ようにしか思えない。
それから、可愛い子って意外とたくさんいると思うんです。駅で歩いてても、大学でも、意外とたくさんいるな、といつも思ってます。
だからただ可愛いだけの子って、飽きやすいというか、可愛いって意外と平凡だと思うんですよ。
世間の半分が可愛いと思う子って、つまり日本人の美的感覚を平均化したものですからね。薄いと思うんです。(誤解のないように言っておきますが、ガッキーやスパガをdisってるわけではありません!)
世界へ売るには平凡であってはならない。だからルックス的にも非凡な子たちを集めたのかな、と察します。
ちなみに、意外とつんくも同じ感じの選び方してるな、と感心してます。
しかしこの選考の仕方は、ハマる人にはとことんハマらせるけど(僕のように。)、ダメな人はダメ、と二極化させやすいし、ある種の”あざとさ”も感じさせちゃうので、諸刃の剣なのかな、とも思う一方、人の美的センスなんて分からないよな、とも思います。


山邊未夢


さて、では佐竹氏が求めていた理想のキャラクターはどんなものであったか。
まずは最初に女子流スタッフに見初められた我らがひよこ隊長、山邊未夢

元々モデル・女優を志望していたこともあり、スタイルが非常に良く、そのために大人っぽい雰囲気を湛えています。チャーミングポイントのほくろもそれに一役買っています。ですが、同時にかなりの童顔であり、精神年齢が異常に若い。その一見した大人っぽさと実際のあどけなさとのアンバランスさが、みゆちゃんの大きな魅力だと思っています。
avexのアカデミー生として、最初にスカウトされた隊長ことみゆは、一体どんなコンセプトに符合したのか。
恐らく、まんま”大人っぽい”ことだと考えています。
確かにすました様子で突っ立っていればみゆは大人っぽいと思います。ゆりも最初に会った時に「大人っぽいですけど、彼氏いますか?」と訊いてましたしw
女子流は、キラリやLAを見ても、洗練とされたスタイリッシュな雰囲気を目指していることは明らかですので、大人っぽさはそれに大きく貢献するのではないでしょうか。
また、みゆは類稀なスタイルの良さを兼ねているために、まさに”全体”のうちの一人としてみゆがいるだけで、全体の平均スタイルも身長も上がります。
更に、”大人っぽい”属性ならば、リーダーにもぴったりです。意外と成績も良いという噂も聞きますし。
佐竹氏は”クールキャラ”としてのみゆ、全体から見たスタイル、身長を考慮して採用したのではないでしょうか。
余談ですが、僕の推測だと、みゆの精神年齢が期待を遙かに下回って成長しなかったことが、佐竹氏にとって大きな誤算だったのではないでしょうか。(笑)
ですが、最近四人になった後の隊長は、まさにリーダーとしての責任を強く自覚するようになった印象があり、今一番伸びているメンバーなのではないでしょうか。みゆちゃん推しなのでかなり多めに見ていると思いますがw


新井ひとみ


ここからは、Top Yellで佐竹氏が言及していた順に挙げていきます。
女子流不動のセンター、ひーちゃん、ひっとこと新井ひとみ

ひーもモデル・女優コースで、歌もやっていたのかな。
みゆを見るために合宿へ潜入してみたら、ひーも見つけた。つまりみゆがいなかったらひーも女子流にいなかったことになりますね。
今でこそ不動のセンターとして君臨してるひーちゃんですが、当時は10歳程のちびっこだったはず。(今もそうか?)
10歳って、何処までも成長する可能性もあれば、全く思いも寄らないところへ向かってしまう危険性も孕んでいたと思うんです。
なのに佐竹氏は彼女をセンターに抜擢した、というのはよくぞ思い切ったものだな、と感心します。まさに英断。
前述しましたが、佐竹氏はセンターを作ることにもこだわってしました。つまり、ひーはそのこだわってたセンターに適合する子だったわけです。
これは本当に想像でしかないのですが、ひーが持っていた”天性の明るさ”が、センターの鍵だったのではないかな、と思います。
もちろん歌唱力もあり、ルックスも伸びる算段が高かった。それから小さくて、ダンスができないということも真ん中に置く理由だったのかな、と思っています。しかし何故センターを作りたがったのか。。。これはまだ解けない謎です。


庄司芽生


続いては頑張り屋さんのめいてぃんこと庄司芽生

女子流メンバーでは最も世間的に可愛い女の子、かな?
個人的には柴咲コウと雰囲気が似てる気がします。大人になったら綺麗になるんだろうなぁ。
さて、みゆとひーが決まったとします。この二人に足りないのはなんでしょう? ダンスです!!(即答)
みゆはダンス経験が辛うじてありましたが、専門ではない。ひーは皆無。歌はひーがある程度できるので、二人だけを見ればダンスが足りないのは明らかです。
そうしてきっとダンス関係を重点的に洗っていたのではないかな、と思います。
その中で、恐らく”清楚”で”可憐”な女の子を探していたのでは。
めいてぃんが頑張り屋だったことも、先ほどの二人の性格を考えるとちょうど穴を埋めてくれるようで、良かったのではないでしょうか。


小西彩乃


次は”女子流の歌姫”ことあぁちゃん、小西彩乃

あぁちゃんはもはやデビュー前から業界内では普通に有名人だったそうですし、コンセプトなんて関係ない気もしますが。
やはり、やがては世界を目指そうというボーカルユニットに実力のあるシンガーが一人もいない状態でスタートするなんて心許なさ過ぎます。
あぁちゃんはダンスも上手いし、実力という意味では申し分なかったのでは。
うーん、やっぱ”本物の才能”を持った子が一人欲しかったのかな、と。


中江友梨


最後に中江さん、こと中江友梨

さて四人決まりました。しかし、隊長は不思議っ子ちゃんだし、ひーもまた違う意味で天然。
めいてぃんはおしとやかな頑張り屋。あぁちゃんは冷静でクール。
ようするにこのままだとおしとやかすぎて意外と静かなメンバーになってしまうわけです。いや実際にはそんなことないと思いますが。
そこで、おてんばというよりもはややんちゃといった方がしっくりくる、中江さん。今では女子流の元気印としてMCなんかで頭角を現していますね。
また四人は、高音域の弱いメンバーだったのでは。そこで高音がストレートに出る声質の中江さんを選んだ。
つまり中江さんはあらゆる意味で四人にはないものをもった、女子流という完成形にぴったりとハマるピースだったわけですね。

また、デビュー曲である「キラリ☆」が元々あって、その曲のイメージにあった子を選んだ、という話も聞きます。

名曲…。
あんまりライブではやってないようなので、是非ライブで見てみたいです。

さて、何故女子流はアイドルなのか。
結論を言えば、もちろんK-PopとAKBブームの最中のデビューだったことも大きいと思いますが、
ダンス&ボーカルユニットを名乗れるだけの実力が足りなかったことが大きいと思います。
実力が足りないガールズグループは、ダンス&ボーカルグループを公言できない。だからアイドルとして売り出していく中で、ダンスとボーカルを磨いていき、ライブの経験を着実に積む。
今は本当に育成期だとは思います。

ひーが高校生になる二年後に、ブレイクできるためのすべての条件が揃う、と思うのですが……
avexがそこまで辛抱してくれるか。佐竹氏が将来性の高さを説得できるか。
最近の女子流からは焦りを感じます。
頑張れ女子流。


書いてて気付いたんですが、要するにみゆちゃんについて書きたかっただけなんじゃないの自分……。



- - - - - -Choki- - - - - - -



ぱすぽ、流石に追い上げてきましたね。ウィークリーではぱすぽに負けそうです。
けどオリコンなんて今時指標になるのかな、とは思うし、佐竹氏の初期コンセプトにも”CDではなくライブを中心にする”ことがありますし。
実際の人気や売り上げにオリコンがあまり関係にないにせよ、メンバーのモチベーションに繋がるとは思うので。
アルバムに期待したいですね。

★追記(2012.10.14)
この記事についての補足を書きましたので併せてどうぞ。→ 女子流徹底解剖の補足




関連リンク
女子流徹底解剖1 -「Top Yell」4月号 佐竹氏のインタビューから
女子流を知るためのリンク集
女子流徹底解剖の補足

*1:長くて読みにくいと思ったので注訳にしました。
軽くおさらいすると、
・目標とする成功モデルは? → 日本で成功したAKBではなく、韓国から日本へ進出してきたKARAや少女時代が目標。
ここで重要なのは、韓国のものではなく、”日本の”世界に発信できる力を持ったガールズユニットを作りたかったということかと。
・幼いメンバーを選んだ理由 → 理想のガールズグループを作り上げるためには、長い時間を共に過ごさないと得られない連帯感や統一感が必要だったから。また、幼い頃から育成した方が理想通りのグループに近づけやすいから。これも”世界へ”という目標から逆算した形で幼いメンバーを選んだということが重要。
・なぜあのメンバーだったか → 個々のポテンシャルよりもグループとしてのバランスを考えて選考した。メンバー個々を推させるよりも、いわゆる”箱推し”を推奨するようなメンバーの選考をとった。
  これも世界へ発信するには個人ではなく全体であるグループでないと意味がないという、”世界へ”からの逆算と思われる。
また、女子流は佐竹氏の”世界へ発信できる”日本のグループを作るという大きな野望からスタートしているわけですが、佐竹氏の独りよがりな理想の追求に終始しているかといえば当然そんなこともなく、メンバーの元々の能力や頑張りがあり、そして思うように売れなかったり、ファンの反応を伺ったりしつつ今の女子流があるわけです。

しかしはてダはjavascript使えないんですね…。

cackle7pm