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私的2012アイドルソングベスト10 前編


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今年から始まったアイドル楽曲大賞。
自分も喜んで参加したいと思い、それにあたって2012年の個人的なベスト10を考えてみました。

・まず、個人的にアイドル…?と思うグループは除外。(きゃりーぱみゅぱみゅAira MitsukiPerfumeなど)*1
・今年のランキングなので、2011年12月の楽曲も除外。(トマパイのジングルガールやワナダンス!など)
・推し箱部門があるため、なるべく推し関係なくできるだけ公平なジャッジをする。(それでも結局個人的になりますが)*2
・基本的にSingleから選出。Album、カップリングは除外。*3

この条件で、自分が”2012年のアイドルソングランキング”として納得できるしっくりくるようになるまで並び替えて決めました。けっこう悩みました…。
要するに、楽曲の完成度とかテクニカルな部分で評価するだけでなく、斬新さ、グループとしての盛り上がり、(それから自分のオススメしたい曲、好み)を総合的に判断したということ。
これとは別に自分の中のランキングはあります。

というわけで、前置きが長くなりましたが以下さっそくランキング。
まずは10〜6位まで。

私的2012アイドルソングランキング 10〜6位


10 「Tweet Dream」Fairies


大変悩んだのですが、どうしてもこれを10位以内に入れたい。
というのも、Fairiesはそれまで「Hero」「Best Generation」と"かっこいい"(?)路線で攻めていましたが、どうも彼女たちの楽曲としては不釣り合いというか、中身も実力も伴ってないように思えてました。確かに女子流にも背伸び感は未だにありますけど、Fairiesの場合、背伸びしすぎていてそれが鼻につくレベルだったので、正直この曲までは良い印象を持っていなかった。
元々Fairiesはアイドルグループの中では明らかにトップクラスのルックスとダンススキルの子たちを揃えてる、と思ってます。*4
その素材が活かしきれてなかっただけに、この「Tweet Dream」の年齢にそぐうような楽曲、歌詞世界によって彼女たちの等身大に寄り添うことで*5、アイドルグループとしてのFairiesが持っている、その年齢ならではの本来の輝きを初めて発揮できたのではないかなと。
なんといってもこの曲の魅力はキラキラ感。電子サウンドとボーカルのエフェクトによって、今までのFairiesにはなかった"アイドルらしさ"を生むことに成功してる。
そしてタイトルが示すように、TwitterというSNSを題材にすることで、2012年というまさに今現在の女の子たちの気持ちを代弁するような、小中女子学生に人気の高いFairiesだからこそできる歌詞世界。
SNSを題材とすることに抵抗感がある方も多いみたいですけど、個人的にはこういう時代性を反映した楽曲は歓迎したいところ。
かつてのJpopの名曲も、ここまで露骨でないとはいえ、歌詞にある程度の時代性は反映されてるものが多いと思いますし。
「Follow Follow ツイツイ♪」という耳馴染みの良いフレーズ、可愛らしい振り付けも魅力的です。

9 「あなたとPop With You!」Negicco


この曲は2003年から活動してきたNegiccoの記念碑的なメジャーシングル第一弾。
元々Negiccoの音楽性自体が好きで、取り立ててNegicco楽曲の中でもこれが優れている、というわけでもないとは思うのですが、それでも実に安定したクオリティの高さ。
ではだったら何故これを9位に入れたのか、といいますと。。。

わが青春のヨーン・マルニ 〜Negiccoが解放する、「東京」というシンデレラストーリー〜|隔週刊★長岡人的東京生活

↑こちらのブログでの指摘が大変興味深い。

湘南や沖縄のリゾートを思わせるような、あくまでお洒落で都会的なポップ・チューンで、夏のドライブにぴったりの楽曲なのですが、夏、そして海…と連想すると、「ヨーンマルニの風」という最後の謎めいた詞にピンとくる新潟人は多いのでは。
そう、"シーサイドライン"こと、新潟市から長岡市を経て柏崎市へ至る海岸道路「国道402号(ヨンマルニ)」の夏の風景です。
(…中略…)
あくまで筆者の勝手な思いですが、こうしてNegiccoは、日ごとにまぶしさを増す東京のスポットライトを全身に浴びながら、そのパフォーマンスで全国のオーディエンスを一人ひとり魅了してゆくたび、実は一方でそのつど、「新潟」という自らのアイデンティティを暗喩的に再認識してゆく、という−ややデフォルメした言い方をお許しいただけば、まるで"東京"と"新潟"の両方をユニゾンで奏でるような−不思議な、かつ精妙なアクロバットを演じているのではないか…そんな気がしてなりません。
思えば彼女たちの紡ぎだす歌詞、メロディライン、そしてダンスのステップ1つひとつにいたるまで、基本的にはどれもMade in Niigata、「新潟ブランド」です。逆説的かもしれませんが、だからこそ、そこに込められたリリカルな「東京的都会性」が、雑然とした喧騒を意識させないある種の清潔感をもって響いてくるのだと思います。
そこにはもう、旧来の”東京/新潟”という単純な2分法は存在しません。むしろ、中央と地方の感性を自在にとびまわる、より自由で多面的な新しい表現の可能性があるような気がします。

2012年のアイドル界では様々な変動があったと思うのですけれど、その中でも地方アイドル(いわゆるロコドル)の進出はめざましく、
もちろんPerfumeが、遡ればSPEEDがそれ以前にあったにせよ、Negiccoはキャリアも長く、地位人気を鑑みても、数あるロコドルの中の代表格とみて良いと思います。
そんなロコドルの代表格としてのNegiccoによる、楽曲の質の高さと両立させながら、新潟=地方への望郷の念を丁寧に織り込んだこのメジャーファーストシングル「あなたとPop With You!」は、高く評価されて然るべきなのではないでしょうか。
上に挙げたブログの方が「地方性をある意味"漂白"して成功したローカルアイドル」としてPerfumeを挙げていますが、それとは反対に、新潟という地方性を都会性と同居させた楽曲を生み出したこのNegiccoのシングルは、多様化が進むアイドル文化の奥深さと、更なる新しい可能性を感じさせてくれます。
……とかごちゃごちゃ言いましたが、そういう理屈抜きにNegiccoの楽曲は素敵。

8 「大切な言葉」東京女子流


ある意味"アイドルグループとしての東京女子流"の集大成的な楽曲。女子流のアンセム(?)「おんなじキモチ」の続編としての側面を持つだけでなく、オリジナルに留まらず定期ライブ等で歌い踊ってきたカバー曲の振り付けも取り込んだ、セルフオマージュに富んだ作りになってます。
そういう意味で、Astalight的には高く評価せざるをえないし、純粋に良い曲です。
このランキング決めようと思って改めて聞き比べてみたのですが、やはりサウンドの作り込まれ方が違う。
松井さんによるコクのあるベースとドラム、初期とは比べものにならないくらい成長したメンバーの綺麗なユニゾンが噛みあって、アイドルソングならではの味わい深い幸福感を演出してくれます。特にサビのファルセットは素敵。

7 「さくら果実」LinQ


とにかく良い曲。
Negiccoと同じくロコドルの代表格に数えられることも多いLinQですが、実態は良く知りません。しかしそれでも予備知識なしに、純粋に良い曲です。
桜をテーマとした楽曲ですが、この切ないコード進行が、少女の儚さや刹那性を感じさせてくれます。
入学式と卒業式を切り取った歌詞は情景が浮かんでくるようですし、3:00からのCメロの泣き展開は特にやばい
泣ける(?)アイドル楽曲としては最高峰の完成度でしょう。

余談ですが、この曲を作り、それまでプロデュースしてたH(eichi)という方が離れてしまったようなのですが、
このH(eichi)という方がLinQとは別にプロデュースしているアイドルの楽曲も非常にハイクオリティ↓
TRICK8f / Brightness

関連
TOWER RECORDS ONLINE|LinQ 『さくら果実/Sakura物語』
CD Journal|『南波一海 presents ヒロインたちのうた。』(第2回)H(eichi) & SHiNTA

6 「サイエンスガール▽サイレンスボーイさくら学院 科学部 科学究明機構ロヂカ?


すごく悩みました。
科学部については後ほどまた何度も言及すると思うので深くは書きませんが、BABYMETALが仮に解散したと仮定して、そこからがロヂカ?の正念場かなと思うので、
個人的な実感ではBEST5に入っても良いなぁーと感じてるのですが、来年に期待するという意味も込めて、この位置で。
今までのアイドルソングにはなかった感じがして、とにかく新しい。
宇宙、あるいは深海を思わせるような浮遊感があって、神秘的な雰囲気を醸しつつも、それがなんだかエモくて、そして可愛い。
さくら学院の”科学”という教育的な側面と、楽曲のクオリティとを見事に両立させてるところが本当にすごい。


下っていくにつれてどんどん書くことがなくなってしまったという不思議な現象が。。。

長くなったので5〜1位は次回に。


続き:私的2012アイドルソングベスト10 後編
   2012アイドルソング 補足+番外編

*1:ていうか、きゃりーぱみゅぱみゅ入ってて南波志帆入ってないのおかしいと思うんですよね(笑

*2:なぜなら、仮に推し箱の曲をランキングに並べるだけだったら純粋に人気の高い(=ファンの絶対数が多い)グループがランキングの上位を占めるシステムになってしまい、面白くない。
僕の理解するところでは、この企画はそういうものを取っ払った上で純粋に優れた楽曲を選出しよう、という試みだと解釈しているので、なるべく公平にみることにしました。
とはいえ、結局守備範囲というものもあり、厳密な客観などありえないのですが。。。

*3:僕の中でのこの企画は、古き良き年間オリコンランキングとかビルボードチャートみたいなものを勝手に想定してるので、そこにカップリングやアルバム曲が入ってくるとなんだか違和感あるな、、というのが理由。
ちなみに、配信曲・ダブルA面扱いは対象としました。

*4:実は一度観にいったのですが、人気のある子だけでなく全員可愛かったしダンスもお上手で、流石だなぁと。

*5:勿論それまで「Sweet Juwel」など可愛らしい曲はあったものの、Singleとして前面に押し出したのは初めてでした。

cackle7pm