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私的2012アイドルソングベスト10 後編


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前回のつづき。

さて、ここからようやく投票に関係してきます。


私的2012アイドルソングランキング 5〜1位


5 「my Transform」Prizmmy☆


個人的には今年純粋な意味で最も鮮烈にかっこいいイメージを打ち出してくれたのはこの楽曲。
年齢を思わせない大人びすぎたビジュアルと圧巻のダンスパフォーマンス、そしてこの楽曲のかっこよさ!
悩みましたが、Prizmmyは過小評価されてる気がしてるので、それも含めて是非投票したかった。
ここで少し引用↓

ダブステップを正面から取り上げた野心的傑作。異常に重心が低くかつ図太い低音をベースに、鈍器で殴りつけるような粘っこいリズムが鳴り響く本年度年度代表曲争いに加えるべき斬新かつ非凡な作品。(…中略…)
PVと合わせて見ていると涙が出てくるほどカッコイイ! これは聞くべき。いや聞かなくてはいけない曲だと思う。
(…中略…)
というわけで、そういう時代遅れの北関東風のビジュアルイメージをはるか遠くに追いやるのがこのPrizmmy☆の和製韓流風UKダンスステップである。UK GARAGEの韓流経由の迂回輸入。それがこの和製UKダンスステップであると思う。なにがいいって、韓流ぽい衣はつけているけど、韓流じゃない。韓流はどっちかというとR&Bの影響下にあるけども、これはあくまでもUKカラージの系譜であることに注目すべきだと思う。

Talkin’ about !!!!!!!!!!!!!|my Transform/Prizmmy☆ (avex)

またこちらも参考になります↓
Talkin’ about !!!!!!!!!!!!!|アイドル界にEDMブームは来るのか?

ホント、韓流っぽい、で片付けるにはもったいなすぎる。
アイドル好きな人には韓流苦手な人も多そうですけど、これはそういう偏見を取っ払って評価すべき楽曲だと思います。

少し話は逸れますが、1st「Everybody's Gonna be Happy」と2nd「Dear My Future 〜未来の自分へ〜」は、女子流ファンならお馴染み「We Will Win! -ココロのバトンでポ・ポンのポ〜ン☆-」の長岡成貢さん作曲。(We Will Winもプリティーリズム・オーロラドリーム2期のエンディング。)
そしてこの「my Transform」はももクロ「走れ」や吉川友「こんな私で良かったら」なんかのmichitomoさんが作曲してます。
そして最近のmichitomoさんの楽曲といえば、アプガの「UPPER ROCK」、そしてPrizmmy最新シングルの「BRAND NEW WORLD!!」(こちらもかっこいい)ですが、それを聞く限り
(ダブステップやりたいんだなぁ〜)と感じさせてくれるように、
この「my Transform」も韓流というよりは本流のEDMを意識してるように思えます。
実際世界のどこもかしこもEDMブームが起こってる中、日本にはさして盛り上がってるようには見えません。
そんな中でアイドルソングに大真面目でEDMを取り入れたmichitomoさんの「my Transform」は、もっと評価されて然るべき!
アプガの「UPPER ROCK」もかっこいいのですが、「my Transform」の方が韓流、EDM、そしてアイドルソングを上手く融合させててバランスが良いかなと。

しかしMVで見ると二人くらい年齢不詳すぎる。女子流でなくPrizmmyを年齢非公開にしたら多分誰も正解できなかったのでは。
でも小学生。映像の力すごい!
余談ですが、今までYouTubeの関連動画などはすぐに消されてしまっていたし、情報が少なかったPrizmmy☆が11/20を境に一気に公式としてMVをYouTubeにアップ。(コメント欄が英語だらけなのは笑いましたw)
そして公式サイトも立ち上げるなど、新しい動きが見えます。もしかして本気で売り出す気になった……?

関連
Prizmmy☆公式サイト

4 「HEY! BROTHER」ライムベリー


アイドルとラップの幸福な邂逅!
アイドルxラップといえば、リリカルスクール(旧tengal6)が先行してますが、しかしリリスクよりもアイドルラップという言葉がしっくり来る。
この楽曲の魅力はなんといっても中毒性。アイドルソングが持つ電波的な要素と、拙い女の子のラップ、言葉の埋め方、そしてヒップホップという音楽が奇跡的に噛みあっている。
惜しむらくは、インディーズということで少し音が軽いということ、MVがないことですが。
これも、T-Palletの仲間入りを果たしたということで、今後に大きく期待できます。

そして、このシングルのM3「Ich liebe dich (HIKARU MIX)」がM1を凌ぐ完成度の高さ。
普段は後ろでDJやってるHIKARUちゃんのソロラップなんですが、もうめちゃくちゃかっこいい。
何よりも歌詞が素晴らしい。アイドルの本音、という感じで。

バックトラックはもちろんだが、歌詞が本当に素晴らしく、好きな女の子の日記を読んでいるかのような気恥ずかしさと、話かけることができずに、遠くから見ていたときの甘酸っぱい記憶が甘美なものに変換されて蘇ってくる。語られる世界は、どこにでもある女子中学生の日常だが、大人からすれば、二度と戻ることができないが故に純粋化された青春の一コマだ。たどたどしいラップとポエトリーリーディングが、その美しさに拍車をかける。
歌詞の中に「みんなはわたしに何を重ねて声をあげるの?」という、ドキッとするフレーズがあるのだが、「lch liebe dich」を聴くと、どうして自分はアイドルが(あるいはライムベリーが)好きなんだろうと考えさせられる。その答えは、ファンの数だけあるだろうが、ライブでこの曲を聴いた時は「僕は未来を信じたいからアイドルを見ているんだ」と思った。これは冗談じゃなくて真面目な話ね。
STUDIO VOICEアイドルラップナイト 9.17 リリカルスクール×ライムベリー

こちらも参考に↓
STUDIO VOICE彼女たちの名は「ライムベリー」。

というか正直にいえば、この「Ich liebe dich (HIKARU MIX)」こそが個人的な真の4位なんですが( オイ)、
年間ランキングには相応しくないかなぁーということで、より知名度の高い「HEY! BROTHER」に一票。


3 「ヘドバンギャー!!」BABYMETAL


それまで以上に本格的にメタルに寄り添って取り組み、かつてのV系、メタルへのオマージュがふんだんに散りばめられた実にヒロイックな楽曲ですが、
MVにも象徴されるように、おどろおどろしい程の黒い魅力を放ちながらも、どこか憂いに満ちている。
特にボーカルのSU-METALは、あたかも間奏部分のYUI,MOAのように土下座して祈りたくなるくらいに神々しく、禍々しく、同時に美しい
ゴシックでどこか邪教的な雰囲気を放つBABYMETALですが、とりわけこの曲はそうした邪教的オーラがムンムンに漂ってます。BABYMETALのファンに”崇拝派”と呼ばれる方がいらっしゃるのも納得。ある意味、これこそ本来的なアイドル(=偶像)なのではと思わせる。可愛らしいことだけがアイドルの条件ではない。
歌詞は、”バンギャ”と呼ばれる女の子を描きながらも、15歳の少女の儚さを表現しており、この曲そのものがBABYMETALを、そしてSU-METALを暗示しているようでもあり、アイドルそのものにも通用する世界観。思い切り感情を移入できるからか、この楽曲ではとりわけSUの歌声に魂がこもっているように感じられ、等身大のSUの魅力を最大限に発揮できる点も大きく評価。
それでいてYUI、MOAの可愛らしい合いの手も、SUの伸びやかな歌声とヘヴィなサウンドを引き立てており、アイドルソングとしての遊び心も決して忘れていない。
それにしても、この曲は本当に聴けば聴くほど染みいります。
聖誕祭での「ヘドバンギャー!!」は最高に高まるだろうなぁ。


2 「そして寝る間もなくソリチュード(SNS)」Tomato n' Pine


悲しいかな、今年いっぱいで"散開"することになってしまったTomato n' Pineの、渾身のキラーチューン。
トマパイの楽曲といえば「キャプテンは君だ!」、「旅立ちトランスファー」のような、リッチなストリングスに彩られた元気の出る/癒される楽曲が多かったのですが、
そのトマパイのふわふわした癒しのユニゾンと相反するようなドスの利いたゴリゴリのベース、ギターを掛け合わせて奇跡的に生まれたある種かなり前衛的かつ実験的なこの楽曲、文句なしでこの順位です。
冒頭はピコピコした可愛らしい電子サウンドから始まるポップソング(敢えて言えばロキノンっぽい)なのに、二番から3人の声が打ち消されるほどの重低音が乱入し、いつの間にかメタルな楽曲に。そして間奏「SNS!! SNS!!」を合図に一気にクライマックスまで駆け抜ける、その疾走感たるや!
トマパイの三人は、特に歌唱力が高いわけでもないし、特徴的な声というわけでもないんですが、それにもかかわらず、三人合わさったユニゾンは洗練とされている。
このどこか浮世離れしていて、それこそ”楽園”めいた清涼感を持ったユニゾンと、騒々しいほどのハードなサウンドが噛みあったこの楽曲、なぜこんなにも心に響くのか。
そして歌詞の素晴らしさにも注目したいところ。
SNS批判というよりは、深夜になって活発に目まぐるしく蠢く女の子たちの妄想と、その孤独感、無為感を表現してるように思えますが、
ここで描かれるある種の騒々しさ(オケ)と孤独感(トマパイのユニゾン)が奏でる女の子の心情はかくも切なく、美しい。


関連
agehasprings玉井健二が語る、トマパイの作り方|CD Journal


 「いいね!」BABYMETAL


音楽のジャンルを超えて”面白いもの”を全部ぶち込んだような、何でもアリのおもちゃ箱(というよりもはや闇鍋)めいた”超カオス”な極上のエンターテイメント曲
メタル/トランス/スクリーモ、ダンスはパラパラっぽくもあり、間奏にはラップまでぶち込まれる。それでも基調は紛う事なきアイドルソングであり、挿入されるMOA・YUIMETALの可愛らしい掛け合いも非常に効果的。
こうした雑然さは、”アイドルソング”だからこそ可能、それでいてアイドルという枠組を軽く越境しており、まさに今年ベスト1の称号に相応しい!

ここまでなんでもかんでも飲み込んでるのに何故か一貫していて、きっちりと1つの楽曲として成立しているのはもはや奇跡としか言いようがなく、"アイドルソング"の懐の深さを感じさせてくれます。ですがこんなトチ狂った楽曲、BABYMETALの三人だからこそ歌いこなせるわけで、この曲だけで十分すぎるほどBABYMETALのポテンシャルの高さ、SUの実力が伝わってきます。
SUMETALの伸び伸びとした高音が活きるサビ、と思いきや突然のラップで摩迦不思議な空気感を生みだし、「きつねだお」を合図として一気にブレイクダウン。
この時の”ヘル感”は圧倒的! その地獄絵図の中、小さな双塔の狭間でそびえ立つ邪神めいたSU様の存在感と来たら!

DISARMONIA MUNDIを凌ぐ、フューチュアリスティックなフォルムと、ハイパー・ミクスチュアリングな手腕の妙味。疾走力。それでいてCHILDREN OF BODOMを越える、フックに長けたメロディックさと、けたましきパワフルな破壊力の共存。中盤から禍々しく雪崩れ込む、ヴァイオレントなビートダウンの展開などに見せるプログレッシヴさと予想を超えたドラマティズムは、さながらCRADLE OF FILTHを陵駕する程。
ヘヴィにして、キュート。ブルータルにして、ポップ。そこに踊り、漲り、爆ぜる、ロックンロールの元来的なキッチェさ。フェイクらしさ。パッション。自由性。若々しさ。何言ってんだ俺。きつねだお!
BABYMETAL新曲「ヘドバンギャー!!」PV完成!…もうCOFもチルボドもいらなくね?|HEAVYROCK JUNK-YZ

↑この評のカオスさが、却って的を射てるなと思ったので引用させていただきます。

また、歌詞も実にカオス。個人的には女の子たちのめくるめく妄想が暴走し爆発した全身全霊の逃避行という印象なんですが、
ある意味トマパイ「そして寝る間もなくソリチュード(SNS)」に被るところがあります。そういう点でも実は時代性に富んでいるのではないかと感じていたり。
SNS」がある種孤独感をイメージさせたのに対して、「いいね!」は負の感情が入り混む余地がないくらいにはっちゃけてます。(一応"センチメタルナイト"、って言ってますけど)
この差は、トマパイとBABYMETALとの年齢差から生まれるものなのかなぁとか思ったり……(笑

まぁ、そういった理屈抜きに、この曲聴いてるだけで天にこぶし突き上げたくなります。良いものは良い!
いいね!いいね!

まとめ



というわけで、私的アイドルソング2012ベスト10は以下の通り。

1 「いいね!」BABYMETAL
2 「そして寝る間もなくソリチュード(SNS)」Tomato n' Pine
3 「ヘドバンギャー!!」BABYMETAL
4 「HEY! BROTHER」ライムベリー
5 「my Transform」Prizmmy☆
6 「サイエンスガール▽サイレンスボーイさくら学院 科学部 科学究明機構ロヂカ?
7 「さくら果実」LinQ
8 「大切な言葉」東京女子流
9 「あなたとPop With You!」Negicco
10「Tweet Dream」Fairies

主観的にはかなり順当に選んだつもり。
なんだかんだ偏っちゃってる気がしてますが、まぁ仕方ないでしょう。

投票

【楽曲部門】
1位 「いいね!」BABYMETAL 3pts.
2位 「そして寝る間もなくソリチュード(SNS)」Tomato n' Pine 2.5pts.
3位 「ヘドバンギャー!!」BABYMETAL 2.5pts.
4位 「HEY! BROTHER」ライムベリー 1pts.
5位 「my Transform」Prizmmy☆ 1pts.

一応順位的にはSNS、HEY! BROTHERを上にしましたが、個人的には甲乙つけがたいので同点で。

【アルバム部門】
1位 「PS4U」Tomato n' Pine 5pts.
2位 「Limited Addiction」東京女子流 0.5pts.
3位 「Negicco 2003~2012 -BEST」Negicco 0.5pts.

女子流「Limited Addiction」の完成度は素晴らしいのですが、
しかし、今年散開してしまうトマパイの傑作「PS4U」にはなんとしても一位を獲ってもらわないと困る!
(散開宣言なくても個人的には圧倒的な一位だったのですけれど。)

【推し箱部門】
東京女子流

オールタイム推し箱ということなので、一択。
ベスト5からは漏れましたけど、楽曲だけで女子流推してるわけではないので。



また、惜しくもTOP10から漏れてしまった楽曲についてなど。
ちょいちょい言いたいことが残ってますので、次回に。。。


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